中小企業Webサイトのよくある問題チェックリスト:自社サイトの課題発見マップ

「うちのサイト、なんか問題があるとは思うんだけど…何が問題かが分からない」
Web担当者になりたての方から、こういった声をよく聞きます。問題はあると感じていても、何をどう確認すればいいか分からない。そもそも何が「正常」で何が「問題」なのかの基準がない。

本記事は、そういった方のために作った「自社サイトの課題発見マップ」です。特別なツールは不要です。自社サイトをブラウザで開きながら、各項目を確認していくだけで、今すぐ対処すべき問題が見えてきます。

チェックリストは以下の優先度で分類しています。

  • 🔴 今すぐ確認:放置するとビジネスや信頼に直接影響
  • 🟡 早めに対処:半年以内に改善したい
  • 🟢 できれば改善:余裕ができたら取り組む
目次

私の経験談

経験上、このチェックリストに当てはまってしまう場合、

  • 委託している制作会社がちゃんと管理していない、もしくはWebサイトの管理を委託していない
  • 社内にサイト管理担当者がいない、もしくは担当者がいても知識がないためどうすればよいかわからない

上記の2択が多い印象です。

幸いなことに?私自身はこのチェックリストすべてに当てはまるようなサイトを引き継いだことはありません。

ただ、私の管理を離れた後に後任の方がサイトをうまく管理できずに、このチェックリストに引っかかるようなサイトになってしまったことはあります。

Webサイト自体はデジタルなものですが、Webサイトを管理運営するには今後AIが発達しても、最終的には人が重要になります。

委託する・自社で管理するにしても、必ず管理できる人材の確保をすることをお勧めします。

1. セキュリティ・技術の基盤

サイトが「動いていること」と「安全に動いていること」は別問題です。まずここを確認します。

🔴 URLが「https://」ではなく「http://」のままになっている

ブラウザでアドレスバーを確認してください。「http://」のままの場合、SSL(通信の暗号化)が未対応です。Googleはこのようなサイトを「安全でないサイト」と判定し、訪問者のブラウザに警告を表示します。SEO上も不利になります。制作会社に連絡し、早急にSSL対応を依頼してください。

🔴 スマートフォンで自社サイトを開いたとき、文字が小さすぎて読めない/横にスクロールが必要

スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)がされていないサイトです。現在のアクセスの多くはスマートフォンからであり、読みにくいサイトはすぐに離脱されます。Googleもスマホ対応を順位決定の重要基準にしているため、SEOにも悪影響があります。リニューアルの優先課題として検討してください。

🔴 WordPressのバージョンが古いまま、またはプラグインを長期間更新していない

WordPressの管理画面にログインしたとき、ダッシュボードに「更新が必要です」という通知が出ている場合は要注意です。古いバージョンには既知のセキュリティ脆弱性があり、不正アクセスやサイト改ざんの標的になりやすい状態です。定期的な更新作業(または制作会社への依頼)を習慣にしましょう。

🟡 サイトの読み込みが遅い(表示に3秒以上かかる)

ページの表示速度はユーザー体験とSEOの両方に影響します。確認方法:PageSpeed Insights(無料)にURLを入力するだけで、スコアと改善点を確認できます。画像サイズが大きいままになっているケースが最多原因です。

🟡 サイトのバックアップが定期的に取られているか分からない

サーバー障害・ハッキング・誤操作でサイトが壊れたとき、バックアップがなければゼロからの作り直しになります。制作会社に「バックアップはどのような頻度で取られていますか?」と確認しましょう。レンタルサーバーの自動バックアップ機能を有効にしているかどうかも確認が必要です。

2. 集客・検索エンジン対応

「検索してもうちのサイトが出てこない」の原因の多くはここにあります。

🔴 Google Search Consoleを設定していない(または設定していても一度も開いたことがない)

Google Search Console(無料)は、Googleが「あなたのサイトをどう認識しているか」を確認できるツールです。設定していないと、Googleにサイトが正しく認識されているかどうか分からず、検索順位の問題も発見できません。設定していても「何となく入れてある」だけでは意味がありません。まずは「どのキーワードで表示されているか」を月1回確認することから始めましょう。

🔴 GA4(アクセス解析ツール)を設定していない、または設定してあるが一度も確認したことがない

「誰がどのくらい来ているのか」が分からない状態では、どんな施策も効果測定ができません。未設定の場合は今すぐ制作会社に依頼してください。設定済みでも確認していない場合は、まず月次のセッション数とどのページが見られているかを確認する習慣を作りましょう。

🟡 すべてのページのタイトルが「会社名」だけ、または同じタイトルになっている

ブラウザのタブに表示されるページタイトル(titleタグ)は、検索結果に表示される最も重要なテキストです。「株式会社〇〇」とだけ書いてあるページが並んでいる場合、Googleはページの内容を正しく理解できず、検索順位に悪影響を与えます。各ページの内容に合わせたタイトル設定が必要です。

🟡 ブログや新着情報の最終更新が1年以上前になっている

サイトが「生きているか死んでいるか」は更新頻度で判断される面があります。長期間更新のないサイトはGoogleからの評価も下がりやすく、訪問者にも「この会社は今も営業しているのだろうか」という不安を与えます。無理に頻繁に更新する必要はありませんが、年に数回はコンテンツを追加・更新しましょう。

🟡 競合他社のサイトをGoogleで検索したとき、自社サイトが1ページ目に出てこない

自社名での検索で1ページ目に出ないのは、SEOの根本的な問題がある可能性があります。「業種名 + 地域名」での検索でも上位に出ないのであれば、SEO対策の優先度を上げる必要があります。まずはどのキーワードで検索されているかをSearch Consoleで確認しましょう。

3. コンテンツ・情報の鮮度

訪問者が「このサイトは信頼できる」と感じるかどうかは、情報の質と鮮度に左右されます。

🔴 電話番号や問い合わせ先がトップページのわかりやすい場所にない

訪問者がサイトに来た目的のひとつは「連絡先を調べること」です。電話番号がヘッダーやフッターに目立つ形で表示されていない場合、そのまま離脱される可能性があります。特にスマートフォンでは「電話番号をタップすれば直接電話できる」設定(tel:リンク)になっているかも確認しましょう。

🔴 サービス・商品のページに「価格・費用感」が一切載っていない

「料金はお問い合わせください」だけでは、訪問者は問い合わせをためらいます。正確な金額が出せない場合でも、「〇〇万円〜」「ご予算に応じてご相談」など、ある程度の費用感を示すだけで問い合わせへの心理的ハードルが下がります

🟡 スタッフ紹介や代表メッセージの写真が数年前のもの、または存在しない

古い写真や情報が放置されているサイトは、全体的な信頼度を下げます。「最後に更新したのはいつだろう」と訪問者に思わせるような古さは避けましょう。写真が用意できない場合でも、テキストの内容を最新の状態に保つことは最低限必要です。

🟡 サービス説明のページが、社内の専門用語や業界用語で書かれていて、素人には分かりにくい

作った担当者には当然の言葉でも、初めて訪問した見込み客には意味不明なケースが多くあります。「〇〇工法」「〇〇システム導入」など、専門用語をそのまま使っているページは、訪問者視点で読み直すことが必要です。「このサービスを使うとお客様はどんな良いことがあるか」という視点で書き直すと改善されます。

🟢 著作権表示(フッターの「© 20XX 会社名」)の年号が2〜3年以上前のまま

小さなことですが、「このサイトは管理されていない」という印象を訪問者に与えます。毎年1月に更新する習慣をつけるか、JavaScriptで自動表示するよう制作会社に依頼しましょう。

4. 問い合わせのしやすさ(CV動線)

アクセスがあっても問い合わせが来ない原因は「CV動線」にあることが多いです。

🔴 問い合わせフォームの入力項目が10項目以上ある

入力項目が多いほど、途中で諦められる確率が上がります。特にスマートフォンでは入力が負担になります。本当に初回問い合わせ時に必要な情報だけに絞り込んでください。目安として「氏名・メールアドレス・お問い合わせ内容」の3〜5項目程度を基本に考えましょう。

🔴 問い合わせフォームで送信したあと、確認メールが自動で届かない

送信後に「しっかり届いたのか不安」と感じた経験はありませんか。問い合わせ後の自動返信メールがないと、訪問者は不安になり、重複送信や電話での確認をしてくるケースが増えます。自動返信メールの設定は制作会社にすぐ依頼できる比較的簡単な対応です。

🟡 「お問い合わせはこちら」などのCTAボタンが、ページの最上部か最下部にしかない

訪問者がページを読んでいる途中で「問い合わせたい」と思ったとき、CTAボタンを探してスクロールするのは手間です。長いページには複数箇所(特に重要なコンテンツの直後)にCTAを配置することで、問い合わせにつながりやすくなります。

🟡 スマートフォンでフォームを入力したとき、エラーが出ても何が間違っているか分からない

「入力に誤りがあります」とだけ表示され、どの項目が間違っているか表示されないフォームは、訪問者をイライラさせます。エラーメッセージは「電話番号は半角数字で入力してください」のように、具体的に何をどう直せばよいかを伝える形にしましょう。

🟢 問い合わせページへのリンクがグローバルナビゲーション(上部メニュー)に入っていない

「お問い合わせ」はどのページからでもアクセスできるべき最重要ページです。ヘッダーのメニューに目立つ形で配置されていない場合は、制作会社に修正を依頼しましょう。

5. 信頼性・会社情報

訪問者が「この会社に問い合わせていいのか」を判断するための情報が揃っているか確認します。

🔴 プライバシーポリシーのページがない

問い合わせフォームや会員登録でユーザーの個人情報を取得するサイトには、プライバシーポリシーの掲載が必須です。ないサイトは訪問者の信頼を損なうだけでなく、個人情報保護法上のリスクもあります。まだなければ制作会社に相談して早急に作成しましょう。

🟡 会社概要に「設立年・資本金・代表者名・所在地(地図)」が揃っていない

初めて取引を検討する見込み客は、会社概要ページを必ず確認します。情報が不完全だと「本当に存在する会社なのか」という不安につながります。少なくとも設立年・資本金・代表者名・所在地・電話番号は掲載しましょう。

🟡 実績・導入事例・お客様の声がサイト上にない

「この会社は信頼できるのか」を判断する最大の根拠は、他のお客様の声や実績です。掲載が難しい場合は許諾を得た上で、匿名での事例紹介や業種・件数の実績数字だけでも表示することで、信頼度が大きく向上します。

🟢 代表者・担当者の顔写真がサイトに一切ない

BtoBの問い合わせや個人向けのサービスでは、「誰がやっている会社か」が判断に影響します。代表者の写真と一言メッセージがあるだけで、サイトの人間味と信頼感が大きく変わります。

6. 管理・運用体制

「誰が・何を・どこで管理しているか」が分からないことは、担当者交代時に大きなリスクになります。

🔴 ドメインの更新期限が分からない、または更新を誰が管理しているか分からない

ドメインの更新を忘れると、サイトが突然表示されなくなります。しかも失効したドメインは他者に取得されてしまう可能性もあります。ドメインの契約先とログイン情報、更新期限を今すぐ確認・記録してください

🔴 サーバーやWordPress、Google広告などのIDとパスワードを制作会社・代理店だけが知っていて、自社では分からない

担当者が変わったとき、業者との契約が終わったとき、ログイン情報が分からないと何もできなくなります。すべてのツール・サービスのIDとパスワードを自社で管理できる状態にしておくことは、Web担当者の重要な仕事のひとつです。

🟡 毎月何にいくら払っているか(サーバー代・ドメイン代・保守費用など)を一覧で把握できていない

「制作会社に言われるままに払っている」状態では、費用の妥当性を判断できません。まずはWebサイト関連の毎月の支払いをリスト化し、何のためのコストか、適正な相場かどうかを確認しましょう。

🟡 制作会社から毎月保守費用を受け取っているが、何をやってもらっているか具体的に分からない

「保守費用として月〇万円」が自動引き落としになっていても、実際に何が行われているかを把握している担当者は少ないです。「保守業務の内容を書面で教えてください」と依頼することは当然の権利です。内容に見合わないと判断した場合は見直しを検討しましょう。

🟢 Webサイト関連のパスワード管理が、メモ帳・Excelなど個人PCの中だけにある

担当者の異動や退職時に情報が失われるリスクがあります。1Passwordや会社共有のNotionなど、引き継ぎやすい形で管理する体制を作りましょう。

チェック結果の見方

  • 🔴が3つ以上ある場合
    今すぐ制作会社・代理店に連絡して対応を依頼してください。ビジネスや信頼への影響が出ている可能性があります。
  • 🔴がゼロで🟡が5つ以上ある場合
    土台は整っています。半年以内を目標に、影響の大きいものから順番に改善していきましょう。
  • 🟡がゼロで🟢だけ残っている場合
    しっかり管理されているサイトです。次のステップとして、集客・コンバージョン改善の施策に進みましょう。

まとめ

このチェックリストで自社サイトを確認した結果、複数の問題が見つかった方は、焦らず優先度の高いものから対処してください。すべてを一気に直そうとすると、費用も時間もかかりすぎて途中で止まってしまいます。

「🔴の問題を1つ解決する」ことから始めることが、サイト改善の現実的なスタートラインです。

また、制作会社や代理店に対応を依頼する場合は、本記事の問題リストをそのまま見せて「この項目について確認・対応をお願いしたい」と伝えると、具体的に話が進みやすくなります。