私の体験談
Googleアナリティクスを使い始めたときは、レポートを作って打ち合わせで伝えて仕事をやったという感覚になっていました。
後述しておりますが、何度か繰り返しているうちに、相手に伝わっていないことがわかり、全然仕事できていなかったということに気づいたことを思い出しました。
皆様は私のようにならないように、お気を付けください。
「数字は出してるのに、伝わらない」という悩み
月初になると、アクセス数やクリック数をまとめてレポートを提出する。データ自体はきちんと取れている。なのに、経営者や上司から返ってくる反応は「これって良いの?悪いの?」「で、結局どうすればいいの?」。
数字を並べる作業はできているのに、なぜか評価されない。心当たりのある方は多いのではないでしょうか。
これは担当者の能力の問題ではありません。レポートの「目的」が、作る側と読む側でズレていることがほとんどです。
なぜ伝わらないのか:担当者と経営者は見ている場所が違う
Web担当者は、日々データを見ているので、数字そのものに意味を感じられます。「直帰率(サイトに来てすぐ離脱した人の割合)が先月より3%下がった」と聞けば、それが改善だと分かります。
一方、経営者や上司は数字そのものを毎日見ているわけではありません。専門用語が並んだ表を渡されても、「それが売上にどう繋がるのか」が分からなければ、評価のしようがないのです。
つまり、月次レポートに必要なのは「正確なデータ」ではなく、「データが何を意味するかの翻訳」です。
月次レポートに入れるべき3つの要素
体系的に整理すると、経営者・上司に伝わるレポートには次の3つが必要です。
①結果:売上や問い合わせにどう繋がったか
アクセス数やクリック数といった「途中経過の数字」ではなく、「問い合わせが何件増えたか」「売上にどれくらい貢献したか」という、相手が判断できる数字を最初に置きます。
②背景:なぜその結果になったか
良くなった理由、悪くなった理由を一言で説明します。「広告の文言を変えたら、問い合わせが増えた」のように、原因と結果のセットで書くと、相手は「次にどうすればいいか」を一緒に考えられるようになります。
③次の一手:来月何をするか
結果と背景を受けて、来月どう動くかを書きます。ここまで書いてあるレポートは、「報告書」ではなく「提案書」として読まれます。
経営者向けの「言い換え」表
担当者が日常的に使う指標は、そのまま出しても伝わりません。以下のように言い換えると、専門用語を知らない人にも一読で伝わります。
| 担当者が見る指標 | 経営者向けの言い換え |
|---|---|
| サイト訪問数(セッション数) | サイトに来た人の数 |
| CVR(Conversion Rate:成約率) 訪問者のうち成果に至った割合 | 来た人のうち、何%が問い合わせ・購入したか |
| CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価) 1件の成果を得るためにかかった広告費 | 1人のお客さんを獲得するためにかかった費用 |
| 直帰率 サイトに来てすぐ離脱した人の割合 | 来てすぐ帰ってしまった人の割合(=そのページの内容が、訪問者の期待とズレていた可能性がある) |
| CTR(Click Through Rate:クリック率) 広告や検索結果が表示された回数のうち、クリックされた割合 | 広告を見た人のうち、実際にクリックした人の割合 |
レポートの本文に専門用語を出すこと自体は問題ありません。ただし、初出時は必ずこの言い換えをセットで添えてください。
実際にあった話
以前、月次レポートにアクセス数・クリック数・CTRをきれいな表にまとめて、毎月提出していました。データの正確さには自信がありました。
ところがある月、経営者から「これ、結局良かったの?悪かったの?」と聞かれて、答えに詰まりました。データは合っているのに、「評価」を相手に渡せていなかったのです。
そこから、レポートの一番上に「今月の結果:問い合わせ件数◯件(前月比+◯件)」を置き、その下に「背景」と「次の一手」を続ける形に変えました。中身の数字はほとんど同じです。並べる順番と言葉を変えただけで、「ちゃんと考えて動いている担当者」として見られるようになりました。
AIを使ってレポート作成を楽にする
レポート作成のハードルは、データを集めることよりも「数字を文章に翻訳する」部分にあります。ここはAIに任せると早くなります。
GA4(Google Analytics 4:サイトのアクセス状況を見る無料ツール)から「セッション数」「CVR」「問い合わせ数」の数字を確認し、そのままAIに貼り付けて、「この数字を、経営者の視点に立って(売上や顧客獲得への貢献という視点で)専門用語を使わずに3行以内で要約し、先月との違いと、考えられる理由も教えてください」と聞くだけです。
たたき台をそのまま使うのではなく、自社の状況に合わせて手を加えることが前提ですが、ゼロから文章を考える時間は大きく減らせます。
まとめ:月次レポートで押さえるべきポイント
- 専門用語の数字をそのまま並べない。①結果 ②背景 ③次の一手の順に翻訳して伝える
- 「結果」は売上・問い合わせなど、相手が判断できる数字を最初に置く
- 専門用語を使うときは、初出時に必ず言い換えを添える
- AIに数字を貼り付けて要約してもらうと、文章作成の時間を短縮できる
レポートは「やったことの記録」ではなく、「次に何をすべきかの提案」として読まれて初めて意味を持ちます。今月のレポートから、結果→背景→次の一手の順番に変えてみてください。