コロナ禍で今までより自社Webサイトの重要性が増し、これまであまり積極的に運用してこなかった中小企業もWebサイトの活用が重要になってきました。
そんな企業の場合、Web(HP)担当者という役割の人間がいないのがほとんどです。そんな状況だと、まず何から手をつけてよいかわからないというのが最初の課題ではないでしょうか。
本記事では、そんな状態からどのようにWebサイトの活用をしていくかを解説します。
最初にやるべきこと
最初にやるべきことは、人の確保です。確保の仕方は2パターンあるかと思います。
社内の人間をWeb担当に抜擢する
リスクの少ない方法としては、今いる人材でなるべくITに明るい人を抜擢する方法です。
この方法の良い点は、既存の人材を流用するので新規雇用コストがかからない点です。また自社のことも把握している点もよい点です。
逆に悪い点は、Web担当者が何をするのか知識や経験が不足している点です。
こちらの方法をとる場合は、即効果を期待するのはやめましょう。最短でも年単位で自社サイトを軌道にのせるまで時間はかかるはずです。
理由は至極単純で、冒頭に申し上げた通り「まず何から手をつけてよいかわからない」という状態から始まり、勉強と試行錯誤を重ねる必要があるからです。
新しい人材(専門家)を確保する
新規雇用コストがかかる、採用した人材が会社に馴染めるかどうかというリスクがあるものの、短期で結果を残すには新しい人材を確保する方法がよいでしょう。
こちらであれば、成果が出るまで年単位で時間がかかる社内の人材を抜擢する方法より早く成果を出せるでしょう。
早ければ数か月、遅くとも1年あれば目に見える結果が出せるはずです。
この方法の良いところは、既にWebサイトの改善ノウハウを持っている人材なので、何をどうすればよいか分かっているところです。
目標とする成果を出すのに、現在あるサイトをどのように改善すべきなのか、どのように集客するのか、さらに継続的に改善させていけばいいのかを専門家ならわかっています。
逆に悪い点は、採用コストと自社に定着してくれるかわからないというリスクを負わなければいけない点です。
このリスクは神のみぞ知るという領域でありますが、採用基準に長く働けるかどうかという点を重要項目にするなどとともに、採用後のフォローを欠かさずにおこなう必要があるでしょう。
またリスクではありませんが、自社についての強みなどをまったく知らない状態で入社するので、そこの教育コストがかかります。この教育工程をしっかり行わないと、いくら能力のある人間でも成功させる確率が下がってしまいます。
この教育工程は、社内の人間をWebの専門家にするコストより遥かに軽いものです。一度教えれば良いものですし面倒くさいと思わずコミュニケーションを取りましょう。
既存人材と新規雇用どっちがいい?
結局どっちがよいのか?という話になるかと思いますが、それは自社の状況によって異なります。結論から言えば前述している通り、採用予算があり早く結果を残したければ新規雇用、それ以外であれば既存人材の流用ということになるのでしょう。
既存の人材を流用するという選択肢を選んだ場合は、当サイトの別記事が参考になるはずです。また当サイトだけでなく、専門サイトやWebに関する書籍をとにかく買いあさりましょう。
どの書籍が良いかなどわからないかもしれませんが、こういった専門書は購入して良し悪しがわかっていくこともありますので、まずは行動することが重要です。
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では、新規雇用で人材を確保するにはどのような方法が良いのでしょうか。ここからは、人材を確保する際のポイントを解説していきます。
どのように人材を確保するか
結論からいうと確保すべき人材は、集客・サイト改善で結果を残したことのあるWebを専門としているマーケッターになります。
一般的にディレクターやWebデザイナー、コーダーといった制作側の人材のほうがコストが低く、マーケッターやコンサルタントといった人材のほうがコストが高い傾向にありますが、確保すべき人材は改善行動の指揮を執れる人材です。よってマーケッターとなります。
ただしここで注意しなくてはいけないのは、集客だけできるマーケッターではなく、サイト改善と集客経験のあるマーケッターである必要があります。
なぜなら集客だけできても、サイト改善ができない人材ではせっかく集客できても結果にはつながらないからです。最近はWeb業界も分業化の傾向があり、SEOの専門家、広告の専門家など集客だけに特化した人材もいます。こういった人材は自社にWebチームを設けられる大企業向けの人材です。
中小企業向けの人材は集客からサイト改善をし、結果を残したことのあるオールマイティな人材のほうが向いているでしょう。それも可能であれば、インハウス(自社のWebを担当する人)の経験がある人材がよいです。
マーケッターを採用した場合の注意点
多くのマーケッターは、集客やサイト改善のノウハウは持っていますが、デザインやコーディングといった制作側のスキルはありません。なので、制作を外注する必要があるという点に注意が必要です。
制作を外注するということは、そこでも費用がかかります。ただし、社内の人間をWeb担当にした場合も同じことなので、この点はどちらを選んでも変わらないということです。
では、制作を一気通貫でできる人材を確保すればよいという意見もあるかもしれませんが、その場合は広告代理店など戦略や集客案を練るのを外注することになります。やり方によるかとおもいますが、この場合のほうがトータルコストは高くなるかと思います。
【番外編】すべて外注するという選択肢
ここまで社内の人材を使う、新しく人材を確保するという2つの選択肢を提示してきましたが、短期的にみるならばすべて外注するというのも一つの手ではあります。
ただし、この選択肢は外注先の会社にすべてを任せることとなり、かなりのハイリスクで運任せともいえる選択肢です。
しかし、外注先がどのような手法でサイト改善や集客を行うのかを勉強するという風に割り切って、社内の人間を育てるという視点でみると全くなしという選択肢ではないと考えます。
なのですべて外注と書きましたが将来自社Web担当者にしたい人間にも携わらせて勉強をさせ、社内にノウハウを残すという一石二鳥を狙ったものとなります。
では具体的にどのような外注先種類があるのか解説していきます。
広告代理店(コンサルティング会社含む)
最も一般的な外注先は広告代理店だと考えます。得意とするのは広告代理店なので、広告を絡めた集客です。さらに最近の広告代理店では結果を残すためにどのようなサイトが必要かを理解し制作できる代理店も存在します。
ただし、本当の意味でしっかり仕事をしてくれる代理店を選ぶのはかなり難しいです。私自身もかなりの数の広告代理店をみてきましたが、しっかりと自社のことを考えて提案をしてきてくれる代理店は1社しかしりません。
また広告代理店の質は、決して価格と比例するものではありません。高ければ良いというわけではないということです。もちろん安かろう悪かろうな代理店も存在します。
なので、広告代理店選びは凄く難易度の高いものとご理解ください。
Web制作会社
広告・集客よりも制作に強みを持っている会社をWeb制作会社とここでは定義します。
こういった会社は、広告代理店の制作請負をしていたり、デザイン性の高いサイトの制作をしていたりします。集客・サイト改善もできないわけではないと思いますが、専門家と比べると弱いと思われます。(もちろん会社よって異なります)
費用面では広告代理店よりは安く済むかもしれませんが、ある程度自社にWebについてわかる人間がいる必要があります。
クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、クラウドワークスやランサーズといったサイトを通して、フリーランスや個人へ業務を委託する方法です。
この方法は、会社ではなく個人に託すということになりますので、もちろん博打度は高いです。ただ、良い人に出会えれば最もコストパフォーマンスは良い選択肢とも言えます。
委託する方の実績が良くても、会社という組織で動いているわけではないので、得意不得意が出たりと思ったような成果が出ないこともあり得ます。
ただこの方法の場合は、ほかの方法に比べて安価で済むと考えられます。
フリーランス仲介会社
クラウドソーシングとの違いは、クラウドテックなどのフリーランスを仲介する会社を利用することで、自社にあった人材を紹介してもらえる点です。
もちろんその分クラウドソーシングと比べて、コストは上がります。
クラウドソーシングと比べてよい人材に巡り合える可能性は上がりますし、条件によってはコストパフォーマンスもよくなると考えられます。
「中小企業でWeb担当者がいない時どうするか」のまとめ
- 最初にやるべきことは人材の確保
- 確保する人材は、社内と社外の2種類あり、それぞれ良いところ悪いところがある
- 短期間で成果を求めるなら社外に人材を求める
- 採用する人材は集客とサイト改善で実績を残したことのあるマーケッター
- 完全に外注するのはハイリスクだが、全く選択肢に載せないのも間違い