中小企業Web担当者の「あるある悩み」と抜け出し方:「自分だけが困っているのかな」と思ったら読む記事

この記事でよくある質問

中小企業のWeb担当者が抱えやすい悩みは何ですか?
「何から手をつければいいか分からない」「成果を測る方法が分からない」「一人担当で相談相手がいない」「代理店の言葉が分からない」が特に多い悩みです。いずれも中小企業特有の体制・予算・兼任という環境が原因で、担当者個人の能力の問題ではありません。
Web担当者を任されたばかりで何から始めればいいですか?
まずサイトのアクセス数を確認できる状態にすることです。GA4(Google Analytics 4)などの無料ツールが設定されているか確認し、なければ設定します。現状を数字で把握できてから、初めて「何を改善するか」の判断ができます。
Q. Web担当者が成果を上司に説明するにはどうすればいいですか?
専門用語をそのまま使わず、「問い合わせが何件増えたか」「売上にどれくらい貢献したか」という言葉に翻訳することが基本です。結果・背景・次の一手の3点セットで伝えると理解されやすくなります。
Q. 一人Web担当者が情報収集するにはどうすればいいですか?
信頼できる情報源を3〜5つに絞り込むことです。情報が多すぎると判断が難しくなります。業界の専門メディアやGoogleの公式ブログ、自社と規模が近い企業の事例を中心に情報源を固めると、日々のノイズが減ります。

「自分だけが困っているのかな」は正しくない

中小企業でWeb担当者を任されると、多くの場合、前任者も専門家もいない状態から始まります。マニュアルがなく、聞ける人もおらず、自分で調べながら進めるしかない。

そういう環境で壁にぶつかると、「自分の能力が足りないせいだ」と感じやすいです。でも実際は、担当者個人の問題ではなく、中小企業のWeb運用がそもそも一人で担うには広すぎる領域だということが原因のほとんどです。

以下で、よくある悩みのパターンとその現実的な抜け出し方を整理します。


悩み①:何から手をつければいいか分からない

なぜ起きるか

Web担当者の仕事は「サイトの更新」「広告の管理」「SNSの投稿」「アクセス解析」など、やろうとすれば無限にあります。全部手をつけようとすると、全部が中途半端になります。

抜け出し方

「今のサイトに、どこから人が来ていて、何人が問い合わせているか」を数字で把握することを最初の一歩にしてください。それだけで、何を改善すればインパクトが大きいかが見えてきます。

具体的には、GA4(Google Analytics 4:サイトのアクセス状況を見る無料ツール)にアクセスして、過去30日間の訪問数・流入元・問い合わせ数を確認するところから始めます。この3つさえ分かれば、次に何をすべきかが絞り込めます。


悩み②:成果が出ているのか出ていないのか分からない

なぜ起きるか

「アクセスは増えた気がするけど、それが良いことかどうか分からない」という状態になりやすいです。指標が多すぎて、どれを見ればいいかが定まっていないことが原因です。

抜け出し方

見る指標を3つに絞ることです。①問い合わせ数(または購入数)、②サイトへの訪問数、③訪問数のうち問い合わせに至った割合(CVR:Conversion Rate、成約率)。

この3つの先月比を毎月同じタイミングで確認するだけで、「増えているか減っているか」「どこに問題があるか」が判断できるようになります。完璧に全指標を追うよりも、同じ指標を継続して見る方が異変に気づきやすいです。


悩み③:代理店・制作会社の言葉が分からない

なぜ起きるか

リスティング広告(検索結果に表示される有料広告)、CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)、LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)など、打ち合わせで次々と専門用語が出てきます。分からなくて聞き返せない雰囲気になることもあります。

抜け出し方

「分かったふり」をしないことが唯一の解決策です。その場で分からなければ「念のため確認ですが、〇〇というのは具体的に何を指していますか」と聞く権利があります。費用を払っている側が理解できない言葉で説明する代理店は、説明責任を果たしていません。

打ち合わせの前に、出てきそうな用語をあらかじめ調べておく習慣も有効です。また、提案書や報告書に出てくる用語を、打ち合わせ後にAIに聞いて確認するだけでも理解が深まります。


悩み④:経営者・上司に成果を説明できない

なぜ起きるか

アクセス数やCTR(Click Through Rate:クリック率)などの数字を報告しても、「それで、どうなの?」と返ってくるパターンです。データを見ている担当者と、データを見ていない経営者の間に、「数字の意味」を翻訳する工程が抜けていることが原因です。

抜け出し方

レポートの冒頭を「問い合わせが先月より○件増えました」という一文から始めることです。専門用語の数字は、その根拠として後から出します。結果を最初に、背景と次の一手をその後に続ける順番に変えるだけで、受け取り方が変わります。


悩み⑤:一人担当で相談相手がいない

なぜ起きるか

中小企業のWeb担当者は、多くの場合チームではなく一人です。判断に迷っても確認できる人がいない、施策が正しいかどうかフィードバックをもらえない、という孤立感は現実としてあります。

抜け出し方

AIを「壁打ち相手」として使う方法が手軽です。「自社のサイトで○○という施策を検討していますが、中小企業の場合に注意すべきことを教えてください」のように、状況を説明して聞くと、選択肢や注意点を整理してもらえます。専門家の代わりにはなりませんが、判断の材料を集める段階では十分機能します。

また、同業種・同規模の事業者が集まるオンラインコミュニティに参加して、横の繋がりを作ることも有効です。自社の取り組みに近い事例を持つ人と話すと、参考書や専門家からは得られない実感のある情報が手に入ります。


悩み⑥:AIをどう活用すればいいか分からない

なぜ起きるか

「AIで何でもできる」「AIに仕事が奪われる」という情報が飛び交っていて、何が本当なのか判断できない状態になっています。Web担当者に限らず、2024〜2025年に最も多く出てきた悩みの一つです。

抜け出し方

「時間がかかっているが頭を使わない作業」に絞って試すことです。たとえば、競合サイトの文章を要約してもらう、報告書の文章の下書きを作ってもらう、用語の意味を分かりやすく説明してもらう。こういった作業から始めると、AIの得意・不得意が実感として分かってきます。

最初から全ての業務への応用を考えなくて大丈夫です。一つ使えるようになれば、次の使い道が自然に見えてきます。


まとめ

  • Web担当者の悩みのほとんどは、個人の能力ではなく環境の問題
  • 「何から始めるか」は、まず現状の数字(訪問数・問い合わせ数・CVR)を把握することから
  • 成果の報告は専門用語の前に「問い合わせが○件増えた」という言葉を最初に出す
  • 代理店の言葉が分からないときは、その場で聞き返す権利がある
  • 相談相手がいないときは、AIを「壁打ち相手」として活用する
  • AIは「時間がかかって頭を使わない作業」から試し始めると使い方が分かってくる

「自分だけが困っている」という感覚は、同じ環境に置かれた担当者のほとんどが持っています。一つずつ解決できることから始めてください。